育児に奮闘するママ・パパにとって、おしりふきは毎日使う必需品ですよね。おむつ替えはもちろん、ちょっとした汚れを拭くのにも便利で、つい手や口まで拭いてしまった経験はありませんか?そのたびに「おしりふきで口を拭いても本当に大丈夫なのかな?」と不安に思った方も多いのではないでしょうか。この記事では、そんなママ・パパの疑問を解消します!おしりふきで口を拭くことの安全性や、手口ふきとの違い、そして安心して使える製品の選び方まで、詳しく解説していきます。
結論:おしりふきで口を拭くのは「成分を選べば」大丈夫!

早速結論からお伝えすると、おしりふきで赤ちゃんの口を拭くことは、製品の成分を選べば基本的には問題ありません。 実際に、多くのベビー用品メーカーが、おしりふきを手や体、口周りに使用できるとしています。 例えば、ユニ・チャームの「ムーニーおしりふき」は手や口まわりに使えると公式サイトで明記されていますし、ピジョンも「おしりナップ」がお肌全般に使えるとしています。
日本の法律(医薬品医療機器等法)では、おしりふきは「化粧品」に分類されます。 これは、デリケートな赤ちゃんの肌に直接触れるものだからこそ、厳しい安全基準のもとで作られている証拠です。特に「純水99%」などと表示されている製品は、主成分が水であるため、より安心して使いやすいでしょう。
ただし、「どんなおしりふきでもOK」というわけではないのが注意点です。製品によっては、口周りに使うには刺激が強い可能性のある成分が含まれていることもあります。次の章で、なぜ「おしりふきで口を拭くのはダメ」と言われることがあるのか、その理由を詳しく見ていきましょう。
なぜ「おしりふきで口を拭くのはダメ」と言われるの?3つの理由

「おしりふきで口を拭いても大丈夫」と聞いても、まだ少し不安が残るかもしれません。なぜなら、一部では「ダメ」という意見も根強くあるからです。その背景には、主に3つの理由が考えられます。これらの理由を正しく理解することで、より安全な製品選びができるようになります。
この章で解説する内容は以下の通りです。
- 理由1:肌への刺激が強い成分が含まれている可能性
- 理由2:「おしり」と「口」の衛生的な問題
- 理由3:手口ふきとの明確な用途の違い
理由1:肌への刺激が強い成分が含まれている可能性
おしりふきには、製品の品質を保つための防腐剤や、保湿効果を高めるための成分が含まれています。 これらの成分のほとんどは安全性が確認されていますが、中には赤ちゃんのデリケートな口周りの皮膚には刺激となる可能性のあるものが存在します。
特に注意したい成分の一つがプロピレングリコール(PG)です。 PGは保湿剤として広く使われていますが、人によってはアレルギー反応や皮膚への刺激を引き起こす可能性があると指摘されています。 また、アルコール成分も、肌の水分を奪いやすく、乾燥や肌荒れの原因になることがあるため、口周りに使用するのは避けた方が賢明です。 そのため、製品を選ぶ際には、これらの成分が含まれていない「PGフリー」「アルコールフリー」といった表示を確認することが大切です。
理由2:「おしり」と「口」の衛生的な問題
これは製品の成分というより、使い方に関する問題です。当然のことですが、一度おしりを拭いたおしりふきで、そのまま口を拭くのは絶対にやめましょう。おしりには、大腸菌をはじめとする多くの雑菌が付着しています。それらの菌が口に入ることで、赤ちゃんが体調を崩してしまう危険性があります。
また、おしりふきのパッケージを共有している場合も注意が必要です。おむつ交換の際に使った手でパッケージに触れ、その後に口を拭くためのおしりふきを取り出すと、間接的に菌が移動してしまう可能性があります。衛生面を考慮するなら、おしり用と手口用でパッケージを分けるか、使用する前には必ず手を清潔にする習慣をつけましょう。
理由3:手口ふきとの明確な用途の違い
「おしりふき」と「手口ふき」が別の製品として販売されているのには、やはり理由があります。 最も大きな違いは、想定している「汚れの種類」と「使用部位」です。
おしりふきは、主にうんちやおしっこといった排泄物の汚れをしっかり落とすことを目的に作られています。 そのため、シートが丈夫で、汚れを絡め取りやすいように厚手であったり、表面が凸凹に加工されていたりすることが多いです。
一方、手口ふきは、食べこぼしやよだれといった汚れを拭き取ることを想定しています。 赤ちゃんの口に入る可能性があるため、成分に特に配慮されており、食品用原料のみで作られている製品もあります。 また、肌触りの優しい、薄手のシートが主流です。 このように、それぞれが最適な用途に合わせて作られているため、「専用品を使った方が良い」という考え方が生まれるのです。
【成分比較】「おしりふき」と「手口ふき」の決定的な違い

「おしりふき」と「手口ふき」、どちらも赤ちゃんの肌を清潔にするためのアイテムですが、具体的に何が違うのでしょうか?両者の違いをしっかり理解することで、シーンに応じた最適な使い分けができるようになります。主な違いは「成分」「シートの素材やサイズ」「価格」の3点です。
この章で解説する内容は以下の通りです。
- 成分の違い:食品用原料が使われていることも
- シートの素材とサイズの違い:拭きやすさの工夫
- 価格の違い:やっぱりおしりふきはコスパが良い?
以下の表に、一般的なおしりふきと手口ふきの違いをまとめました。
項目 | おしりふき | 手口ふき |
---|---|---|
主な用途 | おむつ交換時の排泄物の拭き取り | 食事中の食べこぼし、よだれ、手の汚れの拭き取り |
成分の特徴 | 純水99%が主流。保湿成分配合のものも多い。 | 食品用原料100%など、口に入ることをより考慮した製品がある。 |
シートの素材 | 丈夫で破れにくい不織布。厚手で凸凹加工のものが多い。 | 肌触りの良いガーゼメッシュ状のシートなど、柔らかい素材が多い。 |
サイズ | 比較的大判なものが多い。 | おしりふきより一回り小さいサイズが一般的。 |
価格帯 | 比較的安価で、大容量パックが多い。 | おしりふきよりやや高価な傾向がある。 |
成分の違い:食品用原料が使われていることも
多くのメーカーで、おしりふきと手口ふきの基本的な成分(水、保湿剤、防腐剤など)は、安全基準をクリアしたものが使われており、大きな違いはありません。 アカチャンホンポのように、シートの素材は違うものの、含まれている成分は同じ、としているメーカーもあります。
しかし、手口ふきならではの最大の特徴は、一部製品に「食品用原料100%」や「食品由来成分」が使われている点です。 これは、赤ちゃんが舐めてしまったり、拭いた指を口に入れたりすることを想定し、より高い安全性を追求した結果です。おしりふきを選ぶ際にも、この「口に入れても大丈夫か」という視点は非常に重要になります。
シートの素材とサイズの違い:拭きやすさの工夫
前述の通り、シートの素材とサイズにも違いが見られます。おしりふきは、こびりついたうんち汚れもしっかり拭き取れるように、厚手で丈夫な不織布が採用されることが多いです。 一方、手口ふきは、デリケートな口周りを優しく拭けるように、ガーゼのようなメッシュ状の柔らかいシートが使われることがあります。 このメッシュ構造は、食べかすなどの細かな汚れを絡め取りやすいという利点もあります。
サイズについては、おしりふきの方が一回り大きく作られているのが一般的です。 これは、広い範囲を一度に拭けるようにという配慮からです。手口ふきは、より細かい部分を拭くのに適した、コンパクトなサイズ感になっています。
価格の違い:やっぱりおしりふきはコスパが良い?
毎日大量に消費するものだからこそ、価格は気になりますよね。一般的に、おしりふきは手口ふきに比べて単価が安く、コストパフォーマンスに優れています。 大容量のケース販売なども多く、家計の強い味方です。
手口ふきは、成分や素材にこだわっている分、少し割高になる傾向があります。 そのため、「普段使いはコスパの良いおしりふきにして、食事の時だけ手口ふきを使う」といったように、賢く使い分けているご家庭も多いようです。
口を拭いてもOK!安全なおしりふきの選び方4つのポイント

「それなら、どんなおしりふきを選べば口周りにも安心して使えるの?」という疑問にお答えします。パッケージの裏にある成分表示をチェックするだけで、安全性の高い製品を見分けることができます。ここでは、特に注目してほしい4つのポイントをご紹介します。
この章で解説する内容は以下の通りです。
- ポイント1:「純水99%以上」のものを選ぶ
- ポイント2:「パラベン・アルコール・PG・香料フリー」をチェック
- ポイント3:パッケージに「手・口にも使える」と記載があるか確認
- ポイント4:肌にやさしい素材(コットンなど)を選ぶ
ポイント1:「純水99%以上」のものを選ぶ
最もシンプルで分かりやすい基準が、「純水99%」や「純水99.9%」と表示されている製品を選ぶことです。 「純水」とは、不純物やイオンを可能な限り取り除いた、純度の高い水のことです。主成分が水であれば、それだけ肌への刺激が少なく、万が一口に入ってしまっても安心感が高いと言えます。多くのメーカーがこの「水」にこだわって製品開発をしています。
ポイント2:「パラベン・アルコール・PG・香料フリー」をチェック
次に確認したいのが、添加物です。特に以下の4つの成分が含まれていない「フリー処方」の製品を選ぶと、より安心です。
- パラベン:防腐剤の一種。肌への刺激やアレルギーのリスクが指摘されることがあります。
- アルコール:殺菌効果がありますが、肌の水分を奪いやすく、刺激を感じることがあります。
- PG(プロピレングリコール):保湿剤ですが、アレルギーや肌刺激の可能性が報告されています。
- 香料:香り付けのための成分ですが、赤ちゃんによっては刺激になることがあります。
これらの成分は、必ずしも全ての赤ちゃんに悪影響があるわけではありませんが、デリケートな口周りに使うのであれば、できるだけ避けた方が無難です。「パラベンフリー」「アルコールフリー」といった表記は、パッケージの見やすい位置に書かれていることが多いので、ぜひチェックしてみてください。
ポイント3:パッケージに「手・口にも使える」と記載があるか確認
メーカー側が手や口への使用を想定しているかどうかは、最も確実な判断基準です。パッケージに「手・口にも使えます」「手・くちふきとりナップ」といった記載があれば、安心して口周りを拭くことができます。
おしりふきと手口ふきを兼用できると謳っている商品もたくさんあります。 迷ったときは、この表記があるものを選ぶのが一番手軽で確実な方法と言えるでしょう。
ポイント4:肌にやさしい素材(コットンなど)を選ぶ
成分だけでなく、シートの素材にも注目してみましょう。赤ちゃんの肌は非常に薄くデリケートなので、拭くときの摩擦もできるだけ減らしてあげたいものです。
オーガニックコットン配合のものや、「カシミアのような肌触り」を謳う製品など、素材にこだわったおしりふきも増えています。 ふわふわで柔らかいシートなら、赤ちゃんの口周りを拭くときも安心ですね。実際に触ってみて、ごわごわせず、優しい肌触りのものを選んであげましょう。
口周りの肌荒れを防ぐ!おしりふきで拭く際の注意点

安全な製品を選んだとしても、使い方を間違えると肌トラブルの原因になってしまうことも。赤ちゃんのぷるぷるの肌を守るために、おしりふきで口周りを拭く際には、いくつか注意したい点があります。ちょっとした心がけで、肌荒れのリスクをぐっと減らすことができますよ。
この章で解説する内容は以下の通りです。
- ゴシゴシこすらず、優しく押さえるように拭く
- 拭いた後は保湿ケアを忘れずに
- 赤ちゃんの肌に異常が出たらすぐに使用を中止する
ゴシゴシこすらず、優しく押さえるように拭く
食べこぼしなどの汚れがついていると、ついゴシゴシと強くこすってしまいたくなりますが、これはNGです。赤ちゃんの皮膚は大人の約半分ほどの薄さしかなく、非常にデリケート。 強い摩擦は、肌のバリア機能を傷つけ、赤みやかぶれ、乾燥といった肌トラブルを引き起こす原因になります。
汚れを拭き取るときは、おしりふきを優しく肌に当て、汚れを浮かせるようにポンポンと軽く押さえるのがコツです。 水分がたっぷり含まれているおしりふきなら、こすらなくても十分に汚れを落とすことができます。 どうしても落ちにくい場合は、新しいシートに変えて、優しく拭き取ってあげましょう。
拭いた後は保湿ケアを忘れずに
おしりふきで拭いた後の肌は、水分が蒸発する際に、肌本来のうるおいも一緒に奪われてしまいがちです。特に口周りは、よだれや食事で常に濡れているため、乾燥しやすい部分でもあります。
口周りを拭いた後は、ベビーローションやクリームなどで必ず保湿ケアをしてあげましょう。 これにより、肌のバリア機能をサポートし、乾燥や外部からの刺激から肌を守ることができます。特に乾燥しやすい季節や、肌が敏感になっているときは、こまめな保湿を心がけてくださいね。
赤ちゃんの肌に異常が出たらすぐに使用を中止する
どんなに安全な製品を選び、優しく拭いていたとしても、赤ちゃんの体質やその日のコンディションによっては、肌に合わないこともあります。もし、おしりふきを使った部分に赤み、ぷつぷつ、かゆみなどの異常が見られた場合は、すぐにその製品の使用を中止してください。
そして、症状が改善しない場合や、ひどくなるようなら、自己判断で薬などを塗らずに、小児科や皮膚科を受診しましょう。 専門医に相談し、適切なアドバイスをもらうことが、早期解決への一番の近道です。
よくある質問

ここでは、「おしりふきで口を拭く」ことに関して、ママ・パパからよく寄せられる質問にお答えしていきます。細かい疑問を解消して、よりスッキリした気持ちで育児に取り組みましょう!
おしりふきを赤ちゃんが舐めてしまっても大丈夫?
おしりふきに使われている成分は、基本的に安全性が確認されたものですが、食べることを目的として作られているわけではありません。 そのため、赤ちゃんが誤って舐めてしまっても少量であれば大きな問題になることは少ないですが、積極的に舐めさせるのは避けましょう。もし、大量に食べてしまった場合や、赤ちゃんの様子に何か変化が見られる場合は、製品のパッケージを持参して、すぐに医療機関に相談してください。心配な方は、より安全性の高い「食品用原料100%」の手口ふきを選ぶと安心です。
おしりふきウォーマーは手口ふきにも使えますか?
はい、多くのおしりふきウォーマーは手口ふきにも使用できます。温めることでシートが変色する可能性を指摘しているメーカーもありますが、変色した部分を取り除けば使用上の問題はないとされています。 ただし、ウォーマーの種類や手口ふきの製品によっては、使用を推奨していない場合もあります。念のため、お使いのウォーマーと手口ふきの両方の取扱説明書を確認することをおすすめします。
大人用のウェットティッシュで赤ちゃんの口を拭いてもいい?
あまりおすすめできません。 大人用のウェットティッシュ、特に除菌効果を謳う製品には、アルコール成分が高濃度で含まれていることが多く、赤ちゃんのデリケートな肌には刺激が強すぎます。 また、おしりふきや手口ふきが薬機法上の「化粧品」として安全基準が定められているのに対し、一般的なウェットティッシュは「雑貨」扱いのものが多く、同じ基準で作られているとは限りません。 赤ちゃんには、必ず赤ちゃん用に作られた製品を使ってあげましょう。
アカチャンホンポや西松屋のおしりふきは口を拭けますか?
はい、多くの製品で口を拭くことが可能です。例えば、アカチャンホンポの「水99%Super」シリーズは、公式サイトのQ&Aで手や口まわりに拭いても問題ないと回答しています。 シートの素材は異なりますが、おしりふきと手口ふきで含まれる成分に違いはないとのことです。
西松屋のプライベートブランド「SmartAngel」のおしりふきも、水99%でノンアルコール、パラベンフリーなど、肌へのやさしさに配慮して作られています。 ただし、保湿成分として配合されているエキスが手口ふきとは異なるため、心配な方はパッケージの表示を確認したり、まずは腕などで試してから使用するとより安心です。
おしりふきで体を拭いても大丈夫ですか?
はい、おしりふきで体や手足を拭くことも問題ありません。 多くのメーカーが、おしり以外にも全身に使えるとしています。汗をかいたときや、外出先で少し汚れてしまったときなど、サッと拭けてとても便利です。ただし、顔、特に目の周りなどの粘膜に近い部分は非常にデリケートなので、使用する際は液が目に入らないように注意し、優しく拭いてあげてください。
まとめ

- おしりふきで口を拭くのは、成分を選べば基本的に大丈夫です。
- 多くのメーカーが、おしりふきの手や口への使用を認めています。
- 「純水99%以上」で「フリー処方」の製品を選ぶのが安心のポイントです。
- PG、アルコール、パラベン、香料が含まれていないかチェックしましょう。
- パッケージに「手・口にも使える」という記載があれば最も確実です。
- 手口ふきは、食品用原料を使うなど、より口に入ることを想定して作られています。
- おしりふきは、排泄汚れを落としやすいよう、厚手で丈夫なシートが多いです。
- 手口ふきは、肌触りの良いメッシュシートなどが使われることがあります。
- 衛生面を考え、一度おしりを拭いたもので口を拭くのは絶対にNGです。
- 拭くときはゴシゴシこすらず、優しく押さえるようにしましょう。
- 拭いた後は、乾燥を防ぐために保湿ケアをすることが大切です。
- 肌に赤みやかゆみが出たら、すぐに使用を中止し、専門医に相談してください。
- 大人用のウェットティッシュは刺激が強いので、赤ちゃんへの使用は避けましょう。
- アカチャンホンポや西松屋のおしりふきも、口周りに使える製品があります。
- 迷ったときは、専用の「手口ふき」を使うのが一番安心で確実です。